韓国が新たな要求 ! 日本、 完全無視 … 隣国民の屈厚

“今日もお疲れ様です。ABEMA TIMESの記事「『そのような事実は全くない、直ちに韓国に抗議』聯合ニュースの報道について加藤官房長官」を転載したものだ。記事の冒頭部分は、以下の通りになる。

《韓国の聯合ニュースが14日、日韓両首脳がG7で簡略な首脳会談に暫定合意していたものの、島根県竹島での韓国軍の訓練を理由に日本側が一方的にキャンセルしたと報じたことについて、加藤官房長官は「そのような事実は全くありません」と否定した》

このニュースに接して、多くの日本人が驚いたのではないだろうか。そもそも聯合ニュースは、どんな記事を配信したのか。

日本語版公式サイトを見ると、問題の記事は「G7での韓日会談開催合意 日本が一方的に取り消し=韓国当局者」だと分かる。

《韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と菅義偉首相が主要7カ国(G7)首脳会議に合わせ会談することで韓日両国が合意したが、日本が一方的に取り消したことが14日、分かった》

聯合ニュースの報道によると、イギリス・コーンウォールで開かれたG7で、菅義偉首相(72)と文在寅大統領(68)は《略式会談を行うことで暫定的に合意していた》という。

日本は非礼!?
ところが直前になって、日本が一方的に合意を破棄した。韓国軍が竹島で防衛訓練を行うことを日本が嫌がったからだ。竹島の防衛訓練は、過去に何度も行っている。にもかかわらず、日本は急に理由として挙げ、2国間の約束を反故にした──というのが、聯合ニュースが指摘する事実関係だ。

聯合ニュースは《首脳間対話をキャンセルすることは非常識な対応》と日本を厳しく非難した。報道が事実なのだとしたら、非礼と言われて当然なのかもしれない。

だが、朝鮮半島の情勢に詳しい東京通信大学の重村智計教授は、「加藤官房長官の発言が事実であり、聯合ニュースの報道は間違っています」と指摘する。

「問題の記事には、《実務レベルで暫定合意していた略式会談》と書いてあります。『略式首脳会談』の外交用語は日本語にも英語にもないし、首脳会談という外交の最重要事項が実務レベルで決定されるはずがありません。そこまで言うのなら、韓国は『実務レベル合意』とは誰か、氏名か役職を明らかにすべきです。通常なら『外務省北東アジア課長クラス』と推測されます。これでは『合意』の外交的根拠になりません。せいぜい非公式の情報交換でしかありません。本来は、菅首相と文大統領自身の指示に従って外相や次官、局長が合意して初めて成立する話なのですから、嘘報道と普通の記者なら判断できます」

狙う“一発逆転”
「実務レベル合意」は何ともいかがわしく外交合意の根拠にならないのに、韓国側は意図的に事実とは異なる情報を聯合ニュースにリークした、というのが真相だという。

「文大統領は任期まで残り1年を切りましたが、支持率低下に苦しんでいます。そこで有権者の支持を取り戻すため、日韓首脳会談と米朝首脳会談の仲介、南北首脳会談を実現させることで一発逆転を狙っています。文政権の看板政策に南北首脳会談があります。ところが金正恩総書記(37)は『文在寅を相手にしない』と公式に宣言しており、2人は“絶交”状態です。そこで文大統領は米朝首脳会談を実現させ、韓国の仲介で実現したと誇示し、南北首脳会談にこぎつけ支持を回復させ、ノーベル平和賞も受賞できると期待しているわけです」(同・重村教授)

国連安保理制裁の解除は、北朝鮮の悲願だ。実現にはアメリカと交渉のテーブルにつく必要がある。

「ところが肝心のバイデン大統領(78)は一貫して『まずは日韓関係の修復が先であり、日米韓の協力はその後』という姿勢を見せています。懸案の対中包囲網形成に韓国は及び腰です。更にオバマ政権時代に副大統領だったバイデン大統領は、2015年の日韓慰安婦合意の交渉に関わった経験などから、『日韓関係の悪化は韓国側の責任が大きい』という考えを持っているのです。日本との関係を改善しないと、バイデンは韓国を相手にしてくれません」(同・重村教授)

二階幹事長の“出現”
今年1月以降、文政権の動向を伝える報道を改めて振り返ってみると、アメリカから提出された“宿題”を終わらせようと懸命な姿が浮かび上がってくる。

まず文大統領は1月18日の新年記者会見で、直前の元慰安婦勝訴の判決に「困惑している」と発言。元徴用工訴訟には、日本企業の韓国内資産を売却する現金化を「望ましいとは思わない」と、以前とは180度逆の発言を恥ずかしげもなく述べた。

この発言は韓国国内で波紋を呼んだ。毎日新聞は1月20日の朝刊に「文・韓国大統領:五輪前、首脳会談模索 韓国大統領 対日路線転換か」との記事を掲載し、以下のように解説した。

《韓国政府関係者によると、文氏の念頭にあるのは北朝鮮との関係改善だ。文氏には東京オリンピック・パラリンピック前に菅義偉首相との会談を実現し、日本政府と協力して、東京五輪に北朝鮮政府の高官を招く調整をしたいという思惑があるという》

次に5月13日、NHKは「首相が韓国・国家情報院長と会談 日韓首脳会談を行うべきだという考え伝える」との記事を報じた。

記事の冒頭は、《菅総理大臣が、きのう、韓国の情報当局のトップ、パク・チウォン国家情報院長と会談していたことが分かりました》というものだ。

NHKにリーク
朴智元(パク・チウォン)国家情報院長(79)は、の金大中(キム・デジュン)元大統領(1925~2009)の最側近だったことで知られる政治家だ。

NHKの記事で興味深いのは、朴院長が自民党の二階俊博幹事長(82)とも電話で会談を行ったと伝えた点だ。

「ご存知の通り、二階幹事長は菅政権の“生みの親”で、朴国家情報院長は親友といわれています。朴院長は何としてでも日韓首脳会談の意向を伝え成果を上げようと、二階幹事長に首相との会見をお願いしていたことが垣間見えます。しかし、もちろんこれは『実務レベル合意』ではありません」(同・重村教授)

重村教授によると、このNHKの報道も韓国側か二階幹事長側のリークである可能性があるという。情報機関の責任者については動向を発表しないのが国際慣例であり、日本政府は面会の事実を明らかにしなかったからだ。

「朴院長は諜報機関のトップですから、本来は会合のスケジュールなどを表に出してはいけません。事実、日本側は沈黙を守りました。朴院長がリークしたならば、日韓首脳会談の気運醸成と成果誇示を狙ったのでしょう。何とも韓国的だと言わざるを得ません」

“土産物”の判決
そして韓国は思い切った、いや、日本人にとっては信じられない“奇策”を繰り出す。

G7コーンウォールサミットは6月11日から開催されることが決まり、菅首相は10日に日本を発つことが発表された。韓国も招待されており、とうとうアメリカの“宿題”を解決するチャンスが到来したことになる。

折しも韓国では10日、元徴用工訴訟を巡って、ソウル中央地裁が判決を下す予定になっていた(当初は11日)。遺族など85人が日本企業16社を相手取って慰謝料などを求めた裁判で、大きな注目を集めていた。

ところが聯合ニュースなど韓国のメディアは7日、「判決が突然、今日の7日に変更された」と報じた。

ソウル地裁は、原告の訴えを却下。門前払いという判決内容だった。これに聯合ニュースは「韓国地裁 慰安婦訴訟に続き強制徴用でも異なる判断=韓日関係考慮か」の記事で、《韓国の司法当局が韓日関係を考慮した判断を示した》と指摘した。

「文政権はソウル地裁に日本側が勝訴する判決を求めたのです。更に菅首相の離日が10日なのを知って、日本政府の『首脳会談しない』方針を変えさせようと、更に判決を7日に前倒しさせました。菅首相に考え直せる時間を与え、G7で菅首相と文大統領が立ち話の『略式首脳会談』でもできるよう、いわば判決を“土産物”にしようとしたのです。これが『実務レベル合意』の真実でしょう」(同・重村氏)

朝日新聞の報道
唖然とするほかないが、重村教授によると、これより前の4月21日にソウル中央地裁は日本政府に賠償を請求した元慰安婦らの訴えを却下していた。こちらはバイデン大統領への“お詫びの気持ち”を表現した判決だという。

慰安婦合意の交渉にバイデン大統領が関与していたのは、先にご紹介した通りだ。時の政権の意向を汲んで、韓国司法は自由自在に判決を下すらしい。重村教授は「韓国に司法権の独立など存在しないことがよく分かります。関与を疑われるため、今回は大統領府は何のコメントも出しません」と苦笑する。

更に韓国政府は“ダメ押し”を行う。G7当日の6月11日には朝日新聞が「『文大統領、菅首相と対話意思』 駐日韓国大使インタビュー」の記事を掲載した。

姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使(69)は朝日新聞の取材に対し、文大統領は菅義偉首相と《胸襟を開いて対話したいとの意思を持っている》と述べ、迫るG7サミットで《両国が会うのは常識なのではないかと思っている。日本政府には大人の対応をしてほしい》と訴えた。

「姜大使本人が朝日新聞に売り込んだと言われており、掲載日もG7が始まる当日でなく、それより前を希望したそうです。しかし首相官邸は記者に『挨拶はともかく、首脳会談はない』と漏らしていました。朝日新聞も姜大使に上手く利用されたといわれても仕方ないかもしれません」(関係者)

まさにマンガ
だが、サミットで菅首相と文大統領が挨拶を交わしたり、夕食の席で対面をしたりしたことはあったが、“略式日韓首脳会談”が開かれることはなかった。

文大統領は13日、SNSに「菅総理大臣との初めての対面は日韓関係において新たな始まりとなりうる貴重な時間だったが、会談に至らず残念に思う」(末尾:註1)と投稿した。

正攻法で“宿題”を片付けることができなかった文政権は、ここでも信じられない“奇策”を打ち出す。

「文政権は切り札として、反日カードを出しました。『日本は無礼にも首脳会談の約束を反故にした。理由は竹島問題だ』と聯合ニュースにリーク。『日本と竹島』の2つの文字が並ぶと韓国人は自然に血が頭に上り反発します。『なぜ菅首相は文大統領と会談しないのだ』と韓国世論が高まれば、菅政権も態度を変えるではないかと判断したのです」(同・重村教授)

無残な結果になったのは、冒頭でご紹介した通りだ。加藤勝信・官房長官(65)は「そのような事実は全くありません」と一蹴した。

まるでマンガのようなドタバタ劇と言わざるを得ないわけだが、日本側は文政権に対して一定の距離を取っていることも浮かび上がる。

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