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2022年2月22日、韓国経済新聞が、韓国ウォンが世界の基軸通貨になれない場合、国家負債比率の高い韓国はいずれ金融・経済ともに危機的な状況に追い込まれるだろうと主張していることが分かった。最近韓国では、韓国・全国経済人連合会から、次期大統領候補らに至るまで「韓国ウォンは基軸通貨になる資格がある」とする主張が盛んだ。だがこうした願望を語るにはそれなりの不都合な真実があるようだ。
過去韓国は、1997年のアジア通貨危機、2008年の通貨危機の2度に渡ってウォンが大暴落し、これにともない金融危機・経済破綻状況に陥るという極めて辛い経験をしている。さらに2020年3月には世界的なコロナ禍の影響で、ドル・ウォン相場が1400台に達する大暴落に見舞われた。韓国経済新聞は、こうした大暴落の原因は「ウォンに対する信用度がとても低いため、有事の際、
世界の投資家・投資機関は一斉に韓国ウォンを手放すためだ」と分析し「もし韓国ウォンが基軸通貨であれば、こんな経験をすることもなかっただろう」と嘆いた。これについて漢陽(ハンヤン)大学・経済金融学科のユ・ヘミ教授は「米ドル、英ポンド、EUユーロ、日本円などのような基軸通貨・国際決済通貨は安全資産と見做されており信用度がとても高い」「一方、韓国のような非基軸通貨国の場合、
国家負債が大幅に増加すれば、国家信用度の低下、ウォンの下落を招き、金融不安をもたらす可能性があるだろう」と指摘した。現在、韓国の財政赤字は文在寅政権のもと急拡大しており、2021年末の国家債務比率は51.3%に達し、すでに危険領域に入っていると見做される。そして今後もこの状況を脱する見込みは少ない。つまり非基軸通貨国である韓国では、そのまま金融危機・経済破綻に直結するリスクが大幅に増大しているのだ。
韓国において「ウォンは基軸通貨になる資格がある」とする途方もない願望が、様々な方面から繰り返し主張されるその根底には、逆に「基軸通貨になれなければ、いずれ韓国経済が破綻しかねない」という深刻かつ現実的な危機感が色濃く作用しているのである。だが韓国経済新聞は、様々なデータを引用し、ウォンが基軸通貨になれる可能性は極めて低いと断言し、儚い願望を完全に打ち砕いている。
なお韓国銀行は、基軸通貨を「複数の国の暗黙的了解のもと、国際取引で中心的な役割を果たす通貨」と定義しているが、これには注意が必要だ。一般的には現在、世界の基軸通貨は唯一「ドル」のみであると認識されており、国際的に取引量・信用度の高いポンド・ユーロ・円などの通貨は「国際決済通貨」と呼ばれ区別されている。
言い換えれば、取引量の多い「国際決済通貨」の上位概念として、これらの価値評価の基準となる「基軸通貨」のドルが存在していると考えられるのだ。つまり、韓国ウォンが最初に目指すべきステップは、まず国際決済通貨への昇格であり、それを飛び越えて世界の基軸通貨になりたいとする壮大な願望は、それこそ見当違いが甚だしいと言えるだろう。さて韓国経済新聞は、韓国独特の定義としての「基軸通貨」には、
① 国際貿易決済において使用される量の多い通貨
② 外貨準備資産として保有される量の多い通貨
③ 為替レートの評価時に指標とされる通貨
の3条件が必要であると説く。ところが韓国ウォンはこうした要件から極めて遠い位置にいるようだ。ではまず、国際銀行間通信協会・SWIFTの提示するデータを見てみよう。すると今年1月の国際決済通貨の使用割合は、1位・ドル(39.9%)、2位・ユーロ(36.6%)、3位・ポンド(6.3%)、4位・人民元(3.2%)、5位・円(2.8%)となっている。ところが韓国ウォンの順位は20位圏外であり、使用割合は0.1%程度と極めて少ないのだ。
次に国際通貨基金・IMFのデータも見てみよう。昨年2020年9月の外貨準備高に占める保有率は、1位・ドル(59.2%)、2位・ユーロ(20.5%)、3位・円(5.8%)、4位・ポンド(4.8%)、5位・カナダドル(3.8%)となっている。一方、韓国ウォンの世界的な保有率は0.2%未満であり、信用どころか認知すらもほとんどなされていないというのが現状なのである。
韓国銀行のある関係者は「世界中の外国為替市場参加者のうち、ウォンを基軸通貨と評価するところはほとんどないようだ」と吐露する。つまり韓国ウォンは、韓国国内という特定地域のみで、限定的に使用されている現地通貨・地方通貨(ローカル・カレンシー)に過ぎないということだ。このように「韓国ウォン≒基軸通貨」であるという主張が、いかに荒唐無稽であるかということは一目瞭然であると言えるだろう。
今回のテーマは「韓国メディア、ウォンは基軸通貨にはなれない! 財政赤字の急拡大は金融危機に直結する?」でした。こうした記事の日本語版が掲載されると、日本のネット市民から以下のような意見が寄せられました。「韓国の金融機関が出す信用状は紙切れ同然です。これを日本の金融機関の力で信用保証して、決済可能にしているのが実情です。そこのところ、分かってますか?
日本の信用保証なしに、自力で決済できるようになることが、まず最初の一歩ですよ」「そもそも”ウォン”とは円の現地読み発音である。だから韓国建国当時には、円とウォンは等価値に近かった。しかし現在、ウォンの価値は円の1/10にまで低下しているのが現実です。それでもウォンが世界に通用すると信じて疑わないところが、実に韓国らしいと、ただただ呆れるしかありません」「近代国家として必須な国際協定や条約の遵守ができず、
政権が交代すれば外交の一貫性も維持できない未熟なレベルでは、信頼性があるとかないとか、そういう議論をする以前の問題です」「次期大統領選挙を控えて、文在寅政権の金融・経済政策を正当化しようとする魂胆が透けて見えますね。しかし現実の危機的な経済状況から目を背けても、何の解決にもなりませんよ。韓国国民に対しても、基軸通貨になれると煽るのは、”希望苦痛”以外の何物でもありませんね」
「韓国側はただデフォルトの再来を避けたいから、そんな妄想に取り憑かれているのでしょう。だがなぜ韓国ウォンが、基軸通貨国・国際決済通貨国とスワップを結ぶ上で、ここまで不遇な扱いを受けるのか真剣に考えてみれば、おのずと答えは出ると思います」「基軸通貨になれると本気で語る李在明候補が大統領になるようなら、この国の経済がどうなるのか目に見えるようだ。国民も納得して支持しているのなら、本当に末期症状ですね」さて、
韓国ウォンが基軸通貨・国際決済通貨になれる見込みはほぼありません。一方、韓国のような非基軸通貨国・非国際決済通貨国における財政赤字・国家負債の急増は、通貨危機の再来リスクを現実のものにしています。日本政府・日本企業・日本の投資家にとって、こうした事態に真剣に備える重要性は大いに増していると言えそうです。以上、甘井香織がナビゲートいたしました。みなさんは、どう感じられましたか?
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#韓国の反応
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