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もともと何かにつけて悪化し、膠着し、また悪化し・・・というのを繰り返している両国ですが今回はこれまでの波とは明らかに違う様子を見せています。そんな中、2021年5月、「K国経済研究所」という民間シンクタンクが両国で行った世論調査の結果を発表しました。
調査が行われたのは、3月2日~11日。両国ほぼ同じぐらいの割合で、合計1431名がこの調査に回答を寄せました。調査結果を見てみましょう。「日本が好きだ」と答えたK国人 16.7%「K国が好きだ」と答えた日本人 20.2%さらに「両政府が協力関係構築のためにさらに努力すべきだ」という質問に同意した人の割合はK国で78.0%、日本で64.7%だったということです。
K国経済研究所が、何らかの意図があって数字を操作しているのではないかと疑いたくなるほどです。そう思うのは、2020年10月に日本経済新聞が両国の関係について、世論調査を行った際の数字とあまりにも異なる結果だからです。同調査では、69%の日本人回答者が「K国に譲歩するくらいなら関係は悪いままでいい」と答えています。
わずか2年足らずで、真逆と言ってもいいような結果に日本人の心情が変化するとは考えにくいのです。日本人の心理は、不要な隣人は不要である。これだけなのですけどね・・・2021年10月に言論NPOが発表した「第8回日K共同世論調査」の結果でも同じような傾向が見られます。「悪化した日K関係に対して、両国間の困難に取り組む努力を行うべきだ」と回答したK国人は61.2%、日本人は38.8%ほどです。
同調査は年に1回、過去7回行われてきました。調査を実施した団体からは「この1年間でこれまでにない規模で全般的に悪化している」として特に第8回の調査で目立った「K国の国民意識の悪化」が挙げられています。同時に「日本人のK国に対する認識も厳しい状態ですが、この1年で見ると大きな変化はない」と分析しています。
ますます最初に挙げたK国経済研究所の調査結果の信ぴょう性が薄くなってきます。息を吐くように嘘を吐くような人たちなので、何ら不思議ではありませんよね。そもそもここまで両国の関係性が冷え込んだのは、2019年10月の徴用工問題に対するK国最高裁の判決が直接の原因です。
K国最高裁は工員を雇用した日本企業に対して工員1人あたり1億ウォンの賠償金を払うよう言い渡しました。そしてその賠償金を払うために、日本企業の資産を差し押さえたこと、これが直接の引き金となりました。これは日K両国間のみならず、世界中から注目を浴びた判決で、対K国の投資や各種取引にも大きな影響を与えました。
日本側は、1965年に行われた日K請求権協定で「完全かつ最終的に解決解決済み」とされたこの問題が協定を破って蒸し返されたことに怒りを隠せません。しかし日本側の怒りを正しく理解できないK国は何かにつけて引き続き反発を続けました。しかし日本が思うように反応しないことに徐々にイラつくようになってきました。
そしてK国民は、そんなK国政府のやり方に不信感を抱くようになりました。国の本音と、国民の本音。国の建前と、国民の建前。これらを考えても理解することができず、結局K国とK国民は何がしたいのか自分でもよくわからなくなっています。とんでもなく大嫌いになれる理由なら毎年生産されていますが、1ミリでも好きになれる要因がまったくないのは不思議なものです。
しかし、このややこしい本音と建前の関係も、思わぬところで思わぬ結果を生むことがあるようです。2021年7月1週目、ムン・ジェイン大統領の支持率が上がりました。支持率45.5%、不支持率51.2% いまだ不支持率の方が高いのですが支持率がこの数字になっているのは驚きです。そしてその後、8月に入ってからも、8月1週目の41.5%、2週目42.0%、3週目41.6%、4週目41.3%と常に40%以上を維持しながら横ばいに進んでいます。
この「妙な安定感」の理由は何なのか。まず、このところムン・ジェイン大統領が政治、経済面で際立った外交を行っていません。外交を行うと必ずと言っていいほど世界のひんしゅくを買う行動をしてしまうムン大統領なので、むしろ何もしない方が支持率が上がるいうのは意外ではありません。しかしコロナ関連では防疫に失敗。これもK国民の不満のタネにはなっても支持率を上げることには役立たない要素です。
またムン・ジェイン大統領になってから取り組んでいる経済格差の解消、景気改善もまるで実現できていません。他にも不動産価格の高騰見通しの立たない北との対話、改善の兆しのない若者の雇用増加など、「実現出来ていないことだらけ」というのが実状です。K国民は「日本」というキーワードがチラつくと冷静ではいられない性質を持っています。
ムン・ジェイン大統領とK国民の思いが重なっているところは「日K関係を改善したい!」という思いだったというから驚きです。これは「本音」ということですかね?そして大統領、K国民は「仲直りのシナリオ」を描くようになりました。いやいや…仲直りとかいう前にやらないといけない事沢山あるでしょう?と思ってしまいますよね。
基本的に「日本に頭を下げさせる」という過程をどうしても踏みたい人たちなのでそれを東京オリンピックの開会式のタイミングに当てはめてみました。2022年5月9日が任期満了となるムン・ジェイン大統領にとって日K首脳会談の機会はこれが最後になると言われていました。
実は2021年6月に英国で行われたG7には、日本の菅元総理、ムン・ジェイン大統領が共に出席していたにも関わらず、会談は一切行われませんでした。だからこそ、あくまでも「オリンピックの開会式に来たよ」という気軽な雰囲気の中で首脳会談を行うことは、ハードルが低かったのです。そこで、日本に頭を下げさせて日K関係を回復する、というのがK国側のストーリーでした。
しかし、菅元総理は全く首脳会議に興味を示さず、「来日してもK国側が徴用工問題、慰安婦問題の解決策を示さないようなら、短い会談で対処する」と立場を逆転させました。これにはムン・ジェイン大統領もK国民もへそを曲げないわけがありません。結果、ムン・ジェイン大統領は新型コロナウィルスを言い訳に東京オリンピック開会式参加を土壇場でキャンセルしてしまいました。
日本側には「やっぱり」という大統領の行動でしたが、ここでムン大統領とK国民の「憎き日本」「話の通じない日本」という意見が合致して、支持率が上がったというわけです。
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